ザイリンクス、世界初の 28nm FPGA デバイスを出荷、次世代システム向けアプリケーション開発プラットフォームを実証
2011/03/24ザイリンクス
ロジック/PLD
最初の Kintex-7 K325T FPGA を出荷、次世代システムの構築へ
2011 年 3 月 24 日
ザイリンクス社 (本社 : 米国カリフォルニア州サンノゼ、NASDAQ : XLNX) は 3 月 18 日 (米国時間)、7 シリーズ FPGA の製品展開の開始となる、Kintex®-7 K325T フィールド プログラマブル ロジック アレイ (FPGA) の初出荷を発表した。28nm テクノロジで製造された次世代プログラマブル ロジック デバイスとして業界で最も早い製品展開となる。Kintex-7 FPGA は、最少レベルの消費電力で最大の価格性能比を実現し、主要アプリケーションの要件に応える製品である。また、28nm デバイス ファミリである 7 シリーズの他サブファミリ製品とアーキテクチャが統一されているため、ユーザーが FPGA での開発を直ちに始めることができるだけでなく、Kintex-7 で開発したデザインを Artix®-7 や Virtex®-7 FPGA に移行させることも可能である。
Kintex-7 デバイスは、ザイリンクスの ISE® Design Suite 13 や AMBA® 4 アドバンスト エクステンシブル インターフェイス (AXI™) バス プロトコルに準拠した IP、ターゲット リファレンス デザインとともに提供される。これらターゲット デザイン プラットフォームとして統合的に提供されるすべてのコンポーネントは、Kintex-7 FPGA KC705 評価ボード上で動作する。このボードは現在、ユーザー企業向けにデモ実証が行なわれており、設計者は Kintex-7 K325T デバイスの消費電力や性能、機能を評価することが可能である。ザイリンクスは、設計・製造で実績のある TSMC 社の 28nm 高性能低消費電力 (HPL) プロセスによって、この新しいデバイスの出荷開始をテープアウトから 90 日以内に実現することに成功した。デバイスのデモ実証に関する動画が YouTube で配信されている。詳細は http://www.youtube.com/watch?v=abmQPQ6Eiww を参照されたい。
Jupiter Systems 社の CEO であるエリック オンバーグ (Eric Wongsberg) 氏は、「最適な価格性能比を実現する Kintex-7 ファミリは、わが社の次世代ビジュアライズ製品に最適なソリューションです。7 シリーズの統一アーキテクチャにより、Kintex-7 を使用してすぐに製品開発を開始することが可能で、後に Virtex-7 FPGA ファミリを使用した高機能製品へアップグレードするというようなことが可能になります。これにより開発コストの低減が可能になり、また当社ソリューションの拡張性までを可能にします」と述べている。
アジレント・テクノロジーズ社の高性能オシロスコープ プランナーであるジョエル ウッドワード (Joel Woodward) 氏は、「アジレントは、世界的に最も急速な成長を見せるオシロスコープ ベンダーとして、高性能で低消費電力、高速トランシーバを提供してくれるテクノロジを常に求めています。当社は、32GHz アナログという比類ない帯域幅のリアルタイム スコープから、高速シリアル デバッグやキャラクタライゼーションに向けたサンプリング スコープ、そして、信頼性の高い高速シリアル I/O 性能を提供する機器までを開発している、他に類をみないベンダーです。当社は、パフォーマンスと低コスト、シリアル性能のコンビネーションを実現しているこの Kintex-7 K325T FPGA の最初の出荷製品を手にできることを大変喜んでいます。Kintex-7 ファミリが提供する価格性能比は、次世代テスト計測器に必須なものです。アジレントは複数のオシロスコープ製品にザイリンクス社のデバイスを採用してきましたが、今後より低い開発コストで拡張性の高いテスト計測機器への開発へと導いてくれることでしょう」と述べている。
業界初の 28nm ターゲット デザイン プラットフォームによって 7 シリーズ FPGA を用いた開発を加速
ザイリンクスは、Kintex-7 FPGA の顧客企業向け初出荷とともに、業界で初めて 28nm ターゲット デザイン プラットフォームを導入する。このプラットフォームは、Kintex-7 K325T FPGA や ISE 開発ツール、AXI4 準拠の IP に加え、Kintex-7 FPGA KC705 評価ボード上で動作するベース ターゲット リファレンス デザインの初期バージョンを組み合わせたものである。この 7 シリーズのターゲット デザイン プラットフォームにより、Kintex-7 FPGA ファミリだけでなく、Artix-7 や Virtex-7 FPGA を含めた 7 シリーズ全体に対して、その低消費電力や高性能、先進的な諸機能について、ユーザーは直ちに評価を始めることができる。設計者は、柔軟性に乏しく開発に時間がかかる ASIC や ASSP ベースのハードウェア ソリューションの代替として、使いやすく柔軟な FPGA プラットフォームを利用できるようになる。
ザイリンクスのコーポレート ヴァイス プレジデントであるブルース クライマン (Bruce Kleinman) は、「ザイリンクスは、初の 28nm FPGA の開発と並行して、ザイリンクス ISE デザイン ツールの改良を進め、より高速なランタイムや最高 200 万のロジックセルを用いた設計を実現するとともに、Virtex-6 や Spartan®-6 FPGA を使って開発された AXI プロトコル準拠の IP を 7 シリーズへと移行させるために要する時間を、これまでの数週間から数時間へと短縮しました。こうした努力の結果、数時間で完全に機能するデザインを構築して 7 シリーズ デバイスの主なメリットを実証できる、初の 7 シリーズ ターゲット デザイン プラットフォームを提供することができます」と述べている。
Kintex-7 FPGA
Kintex-7 K325T デバイスは、このクラスの FPGA として初めて 12 ワット未満の消費電力で 1 米ドルあたり最大のチャネル数を実現する製品であり、LTE 無線通信カードや次世代無線基地局などに最適である。Kintex-7 FPGA は、パネル ディスプレイや超音波装置をはじめとするさまざまなアプリケーションに求められる最高の価格性能比を実現するとともに、広帯域幅低ジッタ シリアル トランシーバを内蔵しているため、低コストが求められる有線通信アプリケーションにも対応できる。Kintex-7 K325T FPGA は、Artix-7 および Virtex-7 FPGA ファミリを含む 28nm デバイスの 7 シリーズ FPGA の最初の製品となる。
ザイリンクス 7 シリーズ FPGA について
ザイリンクス 7 シリーズ FPGA が基盤としているアーキテクチャは、業界で最も消費電力が低い、唯一の統一 FPGA アーキテクチャで、低コスト ファミリから超ハイエンド ファミリまで幅広く対応できるだけでなく、350 ものスピード グレードや温度範囲、パッケージのコンビネーションで最も迅速な製品展開を可能とする。Artix-7 や Kintex-7、Virtex-7 という 3 つの 28nm 製品は、ザイリンクスのターゲット デザイン プラットフォーム戦略を拡張するものであり、電力効率や容量性能比、価格性能比における画期的なイノベーションと、これまでにない水準の高い拡張性と生産性を組み合わせて提供し、ユーザーやエンド マーケット、アプリケーションのより広いコミュニティにプログラマブル ロジックをより利用しやすいものにする。7 シリーズ FPGA は、スタックド シリコン インターコネクト テクノロジを利用することで、200 万ものロジック セルを備えた世界最高容量の FPGA である Virtex-7 2000T デバイスを実現する。7 シリーズ デバイスは、デュアル 12 ビット 1 MSPS 汎用アナログ - デジタル コンバータ、トランシーバ、DSP ブロック、オンチップ メモリといった数多くの機能を採り入れて製造されている。ザイリンクス 7 シリーズ FPGA およびザイリンクスの 28nm ターゲット デザイン プラットフォームに関する詳細は http://japan.xilinx.com/7 を参照されたい。
供給体制
Kintex-7 K325T FPGA の初期サンプルは直ちに出荷可能で、Kintex-7 FPGA KC705 評価ボードをベースとして Kintex-7 FPGA ベース ターゲット デザイン プラットフォームは、2011 年第 4 四半期から発注が可能となる。このプラットフォームのデモ検証を希望するユーザーは、ザイリンクス販売代理店へ問い合わせが可能である。
Virtex-7 485T FPGA および 200 万のロジック セルを備える 2000T の初期サンプルは、それぞれ 2011 年の 8 月と 11 月に出荷が開始される。
Artix-7 FPGA の初期サンプルは 2012 年第 1 四半期に開始される。
ユーザーは、ISE Design Suite 13 を利用して、7 シリーズ FPGA の価格や性能、低消費電力といったメリットを活かした設計を直ちに開始できる。すべての機能が利用できる ISE Design Suite 13 の 30 日評価版が無償で入手できる。詳細やダウンロードは、http://japan.xilinx.com/tools/designtools.htm を参照されたい。
ザイリンクスについて
ザイリンクス (NASDAQ : XLNX) は、プログラマブル プラットフォームのリーディング プロバイダである。詳しい情報は Web サイト http://japan.xilinx.com/ で公開している。
※ザイリンクスの名称およびロゴ、Artix、ISE、Kintex、Spartan、Virtex、その他本プレスリリースに記載のブランド名は米国およびその他各国のザイリンクスの登録商標または商標です。
企業HP:
http://japan.xilinx.com/
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