アナログ・デバイセズの「AD7634」「ADG406」「ADSP-21262」を欧州原子核研究機構(CERN)が大型ハドロン衝突型加速器に採用
2011/10/27アナログ・デバイセズ
企業/市場動向
磁場測定装置ボードが、前世代の設計より100倍の周波数帯域幅と分解能を実現し、世界で最も強力な粒子衝突型加速器の超高精度ビーム形成に寄与
2011年10月26日
アナログ・デバイセズ社(ニューヨーク証券取引所:ADI)は、本日、スイスにあるCERN(欧州原子核研究機構)とイタリアのベネベントにあるサンニオ大学(University of Sannio)が、共同で進めているCERNの大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider/LHC)用超電導磁石の磁場測定のための最先端測定装置に、当社のA/Dコンバータ「AD7634」、アナログ・マルチプレクサ「ADG406」、およびDSP「ADSP-21262」が採用されたことを発表します。この測定装置は、高速デジタル・インテグレータ(FDI)ボードと呼ばれ、LHCに、これまでに達成できなかった最高の磁場測定性能を提供します。
新しいFDIボードは、前世代のデジタル・インテグレータの100倍の分解能と周波数帯域幅を可能にします。この大幅なダイナミックレンジの改善により、科学者たちは、高磁場の超電導加速器用磁石に典型的な磁場変動、磁場崩壊、その他の時間依存現象の一因となる、ごく些細なアーチファクトをも検出できるようになります。これらの現象はすべて、研究している粒子線の品質に悪い影響をおよぼします。新しいFDIボードは、CERNにおいて、LHCの加速器用磁石が生成する8テスラの磁場を評価するためのキャリブレーションされた高速回転コイルを通して、毎秒10回の周期で磁束を測定するのに用いられます。
サンニオ大学工学部教授 Pasquale Arpaia氏は次のように述べています。「FDIが開発されるまでは大型ハドロン衝突型加速器の場合、入手可能な電子部品ではすぐに10ppmに達してしまい、精度すなわち分解能の点で適切なものではありませんでした。アナログ・デバイセズは製品、技術資料、およびサポートのあらゆる面で優れており、そのため、我々は同社と協業することを選びました。新しいFDIへのADIの支援により、これまで探索することができなかった新しい磁気研究領域を明らかにできました。」
LHCは世界最大かつ最高出力の粒子加速器で、また人類がこれまでに構築した最大の機械でもあります。LHCは、2003年に建設が始まり、2008年より稼働しました。その使命は、物理学の最も基礎的な疑問の探求と、自然界の最も基本的な法則のさらなる解明です。CERNの詳細については次のビデオ(英語)をご覧下さい。:http://cdsweb.cern.ch/collection/Videos
高速、低消費電力、低ノイズ性能を提供するADIの製品
FDIボード用に採用されたADIの製品は以下です。
・A/Dコンバータ(AD7634): 最高サンプリング・レート670kS/s(単位は1,000サンプル/秒)で、101dBという優れた信号/ノイズ&歪み(SINAD)性能を提供する18ビットA/Dコンバータ
・マルチプレクサ(ADG406):高スイッチング速度、低消費電力、および低オン抵抗の組合せを特長とするマルチプレクサ
・SHARC DSP(ADSP-21262):高性能信号処理アプリケーション向けに最適化されており、2つのプロセッサユニット、2Mビット・デュアル・ポート・オンチップRAM、I/Oボトルネックを解消する多数の内部バス、および革新的なアプリケーション・インターフェースを備えた32ビット/40ビット浮動小数点プロセッサ
【詳細情報】
・大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider/LHC)について(英語)
http://public.web.cern.ch/public/en/lhc/lhc-en.html
・AD7634
http://www.analog.com/jp/ad7634
・ADG406
http://www.analog.com/jp/adg406
・ADSP-21262
http://www.analog.com/jp/adsp-21262
・ADIのA/Dコンバータ リーダーシップ
http://www.analog.com/jp/data-converters/products/customer-case-studies/Data_Converter_Leadership/resources/fca.html
CERNについて
CERN(欧州原子核研究機構)は、1954年に設立された素粒子物理学に関する世界的な先端研究機関で、本部はジュネーブにあります。CERN研究所の施設は、フランスとスイスの国境にまたがって位置しています。欧州初の合弁機関の1つで、現在、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、チェコ共和国、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、イタリア、オランダ、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、および英国の20ヶ国がメンバーになっています。インド、イスラエル、日本、ロシア、米国、トルコ、EC(欧州共同体)、およびUNESCOはオブザーバの地位を与えられています。
アナログ・デバイセズ社について
アナログ・デバイセズ(ADI)は、技術革新、高性能、そして卓越した技術力を企業文化として継承し、半導体市場 において長期にわたり高い成長を示してきました。
ADIは、データ・コンバージョンとシグナル・コンディショニング技術の世界的リーディング企業として業界で高い評価を得ており、あらゆる種類の電子機器分野を取り扱う世界各国60,000社以上の顧客に製品を提供しています。アナログおよびデジタル信号処理アプリケーションに用いられる高性能集積回路の世界的なリーディング・メーカーとして、40年以上の歴史を誇るADIは、本社をマサチューセッツ州ノーウッドに構え、設計/製造拠点を世界各国に展開しています。アナログ・デバイセズはニューヨーク証券取引所に上場しており(ティッカ-:ADI)、S&P 500インデックスの一社に挙げられています。
※すべての商標はそれぞれの所有者の財産です。
企業HP:
http://www.analog.com/jp/index.html
アナログ・デバイセズのニュースリリース
-
2024/10/28Analog Devices
ネットワーク/通信
-
2024/10/09Analog Devices
組み込みソフト開発
-
2024/09/25Analog Devices
企業/市場動向
-
2024/09/17Analog Devices
企業/市場動向
-
2024/08/01Analog Devices
企業/市場動向
関連ニュースリリース
-
-
-
-
-