Nordicの新しいウルトラ・ロー・パワー(ULP)ワイヤレスSoC、”nRF51”シリーズ は、消費電力を大幅に削減し、RF性能を高め、独自仕様のソフトウェアのフレームワークから設計者を解放します。
2012/06/29Nordic Semiconductor
プロセッサ/メモリ
nRF51シリーズで最初に公開されるICは、Bluetooth® low energy および 2.4GHz 独自仕様プロトコルの“マルチプロトコル”に対応したSoCのnRF51822と、世界初のANT / ANT+ 対応SoCのnRF51422の2種類です。これらのデバイスは、新開発の高性能・低消費電力の 2.4GHzマルチプロトコル無線ブロックと32-bit ARM Cortex-M0ベースのプロセッサを搭載した共通のプラットフォームを採用しています。この新しいプラットフォームによって、最大50%の消費電力低減、最大9.5dBのRFリンクバジェット向上、さらにNordicの旧世代のULPワイヤレスICと比べて10倍以上の処理能力を実現し、業界クラス最高水準を塗り替えました。
2012年6月28日、ノルウェー、オスロ
超低消費電力(ULP)RFの専業メーカーであるNordic Semiconductor ASA(オスロ証券取引所(OSE):NOD)は今日、新開発のマルチプロトコル2.4GHz無線ブロックと32-bit ARM® Cortex™-M0ベースのプロセッサをインテグレートした新たなULP RF集積回路(IC)のnRF51シリーズから最初に公開する製品群を発表しました。Bluetooth® low energyおよびANT™ System-on-Chip(SoC)ソリューションに対応したNordicの革新的なソフトウェアアーキテクチャは、製品開発にかかる労力とチップベンダ提供のソフトウェアフレームワークの制約から設計者を解放し、広く普及している人気の高いARM Cortexプログラミング環境を使用することで、顧客が独自の設計・開発を迅速かつ簡単に進められるようにしました。
この最大の利点は、プロトコルスタックとユーザーアプリケーションコードを独自かつ強力に分割する、今までにない新しいソフトウェアアーキテクチャを使用することで実現しました。これを分割することで、開発者にとってアプリケーションとプロトコルスタックとの境界が明確となり、ベンダに課せられるアプリケーション開発フレームワークの一部として、アプリケーションコード統合に関して苦労する必要がなくなりました。コード開発は大幅に簡略化および加速化され、同時に、アプリケーションとスタックコードの統合に付随するリスクも大幅に削減されます。顧客にとっては、アプリケーションのバグ率が下がり、堅牢性は向上します。
Nordic SemiconductorのnRF51シリーズの発売により、3つの主要ULPワイヤレスサブカテゴリ(Bluetooth low energy、ANT / ANT+™、および2.4GHz独自仕様RF)のいずれかによるクラス最高水準のデバイスに基づいたアプリケーションの開発が、さらに広範囲にわたる層の開発者にとって理解しやすくなり、着手しやすくなります。
新nRF51シリーズ(下記の「nRF51シリーズについて」を参照)の中で最初に公開されるフラッシュベースの2種類のICは、マルチプロトコルBluetooth low energy / 2.4GHz独自仕様RF SoCのnRF51822(下記の「nRF51822シリーズについて」をご参照)と、世界初ANT SoCのnRF51422(下記の「nRF51422について」をご参照)です。
Nordic Semiconductorのプロダクトマネージメント ディレクター、Thomas Embla Bonnerudは次のように述べています。「弊社は数年にわたって、最も信頼される顧客とともにnRF51シリーズに取り組んできました。最新のNordic製品構成は、Bluetooth low energy、ANT、および2.4GHz RF独自仕様超低消費電力アプリケーションの新しい水準を再び書き換えるものと確信しています。」
Bonnerud氏はこう続けます。「弊社の新しいマルチプロトコル無線とARM Cortex-M0ベースのプロセッサを組み合わせることで、消費電力を大幅に削減するだけでなく、性能と実際の処理能力も大幅に改善され、新しいSoCソリューションで対応可能なアプリケーションの幅も広がりました。また、Bluetooth low energyおよびANT SoCに対するソフトウェアアーキテクチャでも全く新しいアプローチを採用しました。これにより製品開発を加速化し、開発者にかつてない柔軟性と使いやすさとコードの安全性を提供することでリスクを低減しました。」
発売予定
nRF51822およびnRF51422は現在、主要顧客によるサンプリングを行っております。一般発売は2012年9月上旬、量産開始は2012年度第4四半期の予定です。
nRF51シリーズのICおよびプロトコルスタックは他にも、今後順次販売されるため、メモリサイズ、パッケージタイプ、シリアルインターフェイス、ミックスシグナル周辺機器、およびワイヤレス接続に応じた顧客の選択肢が広がります。
nRF51シリーズについて
新しいマルチプロトコル2.4GHz無線は、高性能、超低消費電力、柔軟性という画期的な組み合わせを実現しました。この無線の主要機能と利点は次の通りです。
Bluetooth low energyモードで-92.5dBの受信感度
すべてのモードで最大+4dBmまでの出力電力
Nordicの旧世代無線と比較してリンクバジェットが最大9.5dBm向上
3Vコイン型電池でSub 10mAのピーク電流
Bluetooth low energy(Bluetooth v4.0)対応
Nordicの既存のnRF24LシリーズICとの無線互換性が100%
Bluetooth low energy、ANT、および独自仕様2.4GHz RFを含む様々なプロトコルの非コンカレントおよびコンカレント動作のサポート
フルレンジのRSSI(受信信号強度)
nRF51シリーズのSoCアーキテクチャは特に、平均消費電流を最小限に抑え、シングルチップへの幅広いワイヤレスアプリケーションの実装を可能にすることに主眼を置いて設計されています。このアーキテクチャの主要機能と利点は次の通りです。
パワフルで低消費電力の32-bit ARM Cortex-M0プロセッサは、2μs の立ち上がり時間で稼働時間を最小限に抑え、8/16-bitプロセッサに比べて高いコード密度を提供します。
高度できめ細かい電力管理スキームにより、独立したシステムブロックは、個別に電源のオン/オフが可能で、アクティビティレベルに基づいてクロックを自律的に制御します。
PPI(プログラマブル周辺機器相互接続)システムは、無線、タイマ、I/Oなどの周辺機器をプロセッサを介さずに自律的に相互接続できます。また、プロセッサの稼働時間を最低限に抑えることで電力を節約しつつ、プロセッサのリアルタイム要件も緩和します。
高効率のEasyDMA無線インターフェイスと柔軟なRAMがマップされたFIFO。
柔軟なGPIOマッピングによりPCB設計が容易になり、ルーティングレイヤー数を最小限に抑えることができます。
カスタム2リージョンMPU(メモリ保護ユニット)により、プログラムメモリと、Bluetoothlow energyおよびANTなどのプリコンパイル済みプロトコルスタックのランタイム保護を可能にします。
nRF51シリーズのソフトウェアアーキテクチャは、プロトコルスタックとユーザーアプリケーションコードを独自にかつ強力に分割することで、アプリケーション開発者の柔軟性、開発の容易さ、コードの安全性を最大限に高めます。
プロトコルスタック(たとえば、Bluetooth low energyまたはANT)は、プリコンパイル済みバイナリとして提供されるか、デバイス上に事前にプログラムされます。
スタックは100%非同期のイベント駆動型で、スレッドセーフなSVC(スーパーバイザコール)ベースのAPI(アプリケーションプログラムインターフェイス)をアプリケーションレイヤに提供します。
とてもシンプルなプログラミングモデルで、独自仕様のアプリケーションのフレームワークやスケジューラ/RTOSに依存しないので、コード開発が容易になり加速化されます。
プロトコルスタックとアプリケーションコードはリンクタイム依存ではないため、個別にコンパイルやアップデート/プログラミングが可能です。
スタックは完全にランタイム保護されるため、相互運用性を確実にし、アプリケーションバグがスタック運用に影響するリスクを軽減します。
スタックは検証および認証済みのバイナリオブジェクトとして提供されます。
nRF51シリーズのICはすべてコード互換であり、一部のICグループはピン互換であるため、開発者は1つのコードベースを維持し保守することで多様なプロジェクトに繰り返し使用することができます。ピン互換ICによって開発者はハードウェア設計を異なるプロジェクトに再利用することができるうえ、開発、プロトタイピング、あるいは、生産などの途上などで、1つのICから別のICへ簡単に移行することができます。
nRF51822について
Nordic SemiconductorのnRF51822はマルチプロトコルのBluetooth low energy / 2.4GHz独自仕様RFフラッシュベースのSoCです。PC周辺機器、インターネット対応テレビのリモコン、スポーツ/フィットネス/ヘルスケア用のセンサー、おもちゃ、オートメーションなどの、費用、電力、サイズに制約のあるアプリケーションの幅広いBluetooth low energyおよび2.4GHz独自設計向けのシングルチップソリューションとして使用することを特に目的として設計されています。
ICの主要機能は次の通りです。
256kBのオンチップフラッシュと16kB RAM
SPI、2ワイヤ、ADCおよび直交デコーダを含む幅広いデジタルおよびミックスシグナル周辺機器
16のPPIチャネル
オンチップLDO電源で1.8~3.6V、LDOバイパスモード電源で1.75~1.95V
コイン型電池などの3V電池に対応するオンチップのドロップダウンDC/DCコンバータ
+/- 250 ppm 32kHz RC発振器は、外部32kHz水晶発振子不要のBluetooth low energyアプリケーションの実装を可能にするため、費用を抑えスペースを広く確保することができます。
6x6mm 48ピンQFNパッケージで最大32本のGPIO
完全 Bluetooth プロトコルスタックソリューション(リンクレイヤーからプロファイルまですべてのスタック)。
nRF51822の S110 Bluetooth low energyスタックは、ダウンロード可能でロイヤリティーフリーのプリコンパイル済みバイナリとして提供され、スタック部分だけで個別にプログラミングとアップデートが可能です。スタックには次の主要機能が含まれます。
非同期のイベント駆動型SVCベースAPI
ランタイム保護
GATT、GAPおよびL2CAPレベルのAPI
Peripheral / Broadcaster ロール
GATTクライアントとサーバー
2.4GHz RF独自仕様プロトコルによる非コンカレントマルチプロトコル動作
必要なコードスペースは128kB未満、RAMも6kB未満のため、アプリケーションコードには128kBを超えるフラッシュメモリと10kBを超えるRAMを使用することができます。
Nordicの旧世代のnRF8001を使用した2チップ実装と比較して、S110スタックのnRF51822は消費電力を最大50%削減します。
S110スタックおよびnRF51822を利用した開発をサポートするnRF518 SDKには、Bluetooth low energyプロファイル、サービス、サンプルアプリケーションの総合セットが搭載されています。
nRF51822を利用した独自仕様のアプリケーションに関しては、新しく改良されたGazell™ 2.4GHz RFプロトコルスタックが提供され、旧世代のnRF24LシリーズのGazellベースのアプリケーションとの相互接続が可能になります。nRF51822と新しいGazellのプロトコルスタックを組み合わせることで、Nordicの旧世代のnRF24LE1と比べて最大30%も消費電力を削減します。
nRF51422について
Nordic SemiconductorのnRF51422フラッシュベースANT SoCは、世界初のANTアプリケーション向けシングルチップソリューションで、費用、電力、サイズに制約のある、スポーツ、フィットネス、ヘルスケア用のセンサーなどに最適です。nRF51822と同じハードウェアを採用していますが、nRF51422ではS168 ANTプロトコルスタックが事前にプログラムされて提供されます。S168スタックには次の主要機能が含まれます。
非同期のイベント駆動型SVCベースAPI
ランタイム保護
通信モード:Broadcast、Acknowledged、Burst
最大8つのコンカレントANTチャネルをサポート
バースト転送速度60kbps – 旧世代と比較して300%高速化
必要なコードスペースは32kB未満、RAMも2kB未満のため、アプリケーションコードには224kBを超えるフラッシュメモリと14kBを超えるRAMを使用することができます。
nRF51422を利用した開発をサポートするnRF514 SDKには、ANT+プロファイル、ANT FS、およびサンプルアプリケーションの総合セットが含まれています。
Nordic Semiconductor ASAについて
http://www.nordicsemi.com/eng/News/Press-Center/Press-Backgrounders/About-Nordic-Semiconductor
企業HP:
http://www.nordicsemi.com/
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