モレックス、プレリリース品のシングルペアEthernet (SPE) ケーブルをSmart Production Solutionsで展示
2022/11/14モレックス
企業/市場動向
●Industrial Partner Networkの主要メンバーとして、新たな標準Ethernet技術としてのSPEの開発と、均質な SPEの導入拡大のための新たな基盤を強化
●SPEは、設備機器、センサー/アクチュエーター間のバリアフリーの接続を可能にし、エンドツーエンドのインターネットプロトコルベースの通信範囲の拡張を実現
●Smart Production Solutions 2022にて、SPEケーブルその他接続製品を展示
東京 – 2022年11月14日 – エレクトロニクスで世界をリードしコネクティビティの分野で革新を続けるモレックスは、シングルペアイーサネット (SPE)テクノロジーを使用した新製品を発表いたしました。プレリリースの本製品を、来る11月8~10日にドイツ、ニュルンベルクで開催される展示会、Smart Production Solutions (SPS) 2022で展示しました。
シングルペアケーブルの接続ソリューションは、従来のEthernetを遥かに上回る性能を備え、自動化が進む工場内のインターネット接続環境の拡充に貢献します。シングルペアイーサネット (SPE) は、長距離におけるデータ伝送速度が従来のケーブルよりも高速化され、製造現場のネットワークや産業用モノのインターネット (IIoT) の運用における伝送に関するボトルネックを解消します。
現行のIIoTネットワークは、完成形に至っていないものが多く、点在するデバイスの「島」と「島」が、なんらかのアナログな接続手段あるいは設備固有のゲートウェイを介して間接的に接続された状態になっています。SPEは、重要なデバイスにインターネット接続と電力の両方を供給する機能を備えているため、フィールドバス設定作業は必要ありません。SPEケーブルを使用してオープンプロトコルを経由して接続すれば、生産現場等に関連するクラウドとリモートシステムの間を、すき間なく通信でつなげることができます。
認定された、長距離配線における高速伝送
SPEは、銅線のペアケーブル1本でイーサネット通信を行います。データの伝送と同時に、EoL (Ethernet-over-Line) と同様のPoDL (Power over Data Line) を介して、接続先のデバイスに電源も供給します。最大供給電力は50Wです。
この新たなEthernetテクノロジーの進化は、データへのアクセスのしやすさを向上させ、高性能な産業用アプリケーション向けのデバイス制御環境を大きく変えるものです。SPEケーブルは、IP20およびIP67の防水等級にも対応します。
将来的には最長1キロメートルまでのケーブル長についても、IEEE (アメリカ電気電子学会) 認証を取得した製品を発売する予定です。SPEで達成可能な通信速度は10 Mbps (IEEE 802.3cg)、および1 Gbps (IEEE 802.3bw) です。モレックスでは、新たに開発された規格IEEE 802.3chで10 Gbpsの達成を計画しています。SPEは、これらIEEE規格のカテゴリのすべてのフィールドバスケーブルと置き換わっていくものと期待されています。
SPEによって、入出力機器はより高速で設定が容易かつ安価なものとなり、設備機器の新設コストを低減し、従来型のネットワークから新たなネットワークへと移行するための明確な道筋となるものと考えられます。SPEの導入については、既存のEthernet環境に、追加インターフェースなしで各種デバイス、センサー、およびアクチュエーターを容易に増設可能です。
インダストリー4.0に向けた、小型、軽量化設計
モレックスのグローバルマーケット分野を担当するビジネスディベロップメント部門シニアマネージャーのマーク・シューマン (Mark Schuerman) は、次のように述べています。「モレックスの新たなSPE製品は現在、検証および認証を通過した段階です。まもなく販売を開始し、産業用IoTの進化の重要な転換点とも言える製品になるものと考えています。本製品は、産業用ネットワークにおける、接続と制御のギャップを埋めることを目的とした製品で、IIoT導入戦略において必要不可欠のテクノロジーであり、モレックスはこれを新たなEthernetモデルとして推進します」
2ペアまたは4ペアの銅線が必要な現行のEthernetケーブルとは対照的に、SPEではわずか1ペアしか必要としないため、コスト、敷設スペース、重量を抑制することが可能です。設計面ではケーブルをスリム化、コネクターを小型化し、狭いスペースや過酷な屋外環境といった工場特有の使用環境下でも長期間、品質を維持する耐久性も備えています。
SPEテクノロジーを強化し、採用を進める
新たに標準化されたEthernetプラットフォームには、ネットワーク関連企業50社以上が参加するSPE Industrial Partner Networkを介して、各業界の大手企業から、支援や投資が集まっています。モレックスはこのエコシステムの主要メンバーとしてSPEの開発に協力し、SPEの採用が進む様子を直に目にしてきました。
このコンソーシアムの全メンバーが、IEC 63171-6/-7準拠の標準嵌合インターフェースの使用など、相互運用性のある規格の順守を約束しています。優れた性能と規格が組み合わさったSPEは、ほとんどすべてのタイプのフィールドバスと置き換わり、Industry 4.0への移行の道筋を確立する理想の技術となることが期待されています。
Smart Production Solutions 2022 (スマートプロダクションソリューション 2022)
● モレックスはファクトリーオートメーション分野を代表するメーカー各社が出展する、ドイツ、ニュルンベルクで11月8~10日に開催される展示会、SPS 2022に出展します (ホール10、ブースNo.110)。
● モレックスはSPEテクノロジー関連コンポーネントを展示いたします。是非ご来場の上、最新のEthernetとデータ伝送が最適化される仕組みをご覧ください。
モレックスについて
モレックスは、未来の変革とより豊かな生活を実現させるテクノロジーを可能にすることでつながる世界を支えます。世界40ヵ国以上で事業を展開し、データ通信、医療、インダストリアル、自動車、家電などの様々な市場に広範な接続システム、サービスおよび電子ソリューションを提供しています。お客様や業界との信頼関係、エンジニアリングに関する卓越した経験と知見、そして製品の品質と信頼性をたずさえて、モレックスは無限の可能性を追求していきます。Creating Connections for Life ― ソリューション開発のその先に、つながる未来を見据えて。詳細に関しては、www.molex.comをご覧ください。
プレスリリースURL(英語版)
イメージURL
企業HP:
http://www.japanese.molex.com/molex/index.jsp
関連ニュースリリース
-
-
-
-
-