スマートフォンや小型IoT機器などに最適な世界最小※CMOSオペアンプを開発
2024/05/31Rohm
IoT
低入力オフセット電圧かつ低ノイズによりセンサ回路の高精度化にも貢献
2024年5月30日
<要旨>
ローム株式会社(本社:京都市)は、スマートフォンや小型IoT機器などにおいて、温度、圧力、流量などを検知・計測したセンサ信号の増幅に最適な超小型パッケージのCMOSオペアンプ「TLR377GYZ」を開発しました。
新製品は、これまでロームが培ってきた「回路設計技術」、「プロセス技術」、「パッケージ技術」をさらに進化させることで、一般的にオペアンプでは難しいと言われている小型化と高精度化の両立に成功しました。
オペアンプの誤差要因として、入力オフセット電圧*1とノイズの発生があります。これらは増幅精度に関係する項目で、どちらも内蔵するトランジスタ素子サイズを大きくすることで抑えられますが、小型化とは背反関係になります。ロームは、独自の回路設計技術により開発したオフセット電圧を補正する回路を組み込むことで、トランジスタ素子サイズはそのままで最大1mVの低入力オフセット電圧を実現。同時に、独自のプロセス技術により定常的に発生するフリッカノイズ*2を改善したほか、素子レベルから抵抗成分を見直すことで、入力換算雑音電圧密度*3 12nV/√Hzの超低ノイズも実現しました。さらに、独自のパッケージ技術によりボールピッチを0.3mmまで狭小化したWLCSP(Wafer Level Chip Size Package)を採用。従来品比約69%、従来小型品比でも約46%のサイズ削減を達成しています。
新製品は、2024年5月より月産10万個の体制で量産(サンプル価格220円/個:税抜)を開始しています。置き換え検討や初期評価のサポートとしてSSOP6へのIC実装済み変換基板も準備しています。新製品、変換基板ともインターネット販売に対応しており、チップワンストップ™やコアスタッフオンライン™などから購入することができます。また、検証用シミュレーションモデルでは、高精度SPICEモデル「ROHM Real Model*4」を完備しており、ローム公式Webから入手することができます。
今後もロームは、小型化、高精度化に加え、独自の超低消費電流技術を用いた省電力化も追求するなど、オペアンプの高性能化に取り組み、より高度なアプリケーション制御を可能にすることで社会課題の解決に貢献していきます。
詳しくはこちらをご覧下さい。
企業HP:
http://www.rohm.co.jp/
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