「BM2SCQ12xT-LBZ」のご紹介

「BM2SCQ12xT-LBZ」は、AC/DCコンバータICにおいて、SiC MOSFETを世界で初めて内蔵し、ディスクリート部品構成による設計課題をなくすことで、省電力のAC/DCコンバータを極めて簡単に開発可能にする製品です。

特長

① 小型化

本製品は、一般的なSi-MOSFETを採用したディスクリート部品構成に対して、最大12個の部品(AC/DCコンバータ制御IC、800V耐圧Si-MOSFET×2、ツェナーダイオード×3、抵抗器×6)と放熱板を1パッケージ化し、圧倒的な部品点数削減を実現。またSiC MOSFETが、高耐圧で高電圧ノイズに強いことから、ノイズ対策部品も小型化できます。

② 高信頼化

1パッケージ化したことで、部品選定や信頼性評価の工数削減、部品故障リスクの低減、SiC MOSFET採用に対する開発工数削減などを一気に実現することが可能です。
また、SiC MOSFETを内蔵したことで実現できた高精度な過熱保護のほか、過負荷保護や電源電圧端子の過電圧保護、過電流保護、二次側電圧の過電圧保護が搭載されています。連続駆動を行う産業機器の電源に必要とされる多彩な保護機能を搭載し、信頼性向上に貢献します。


③ 高効率化・低損失化

本製品に搭載されたSiC MOSFET駆動に最適なゲートドライブ回路が、SiC MOSFETの実力を最大限に引き出すことにより、一般的なSi-MOSFET採用品と比較して、最大で5%の高効率化を実現します(2018年4月ローム調べ)。
また、本製品の制御回路には、一般的なPWM方式と比較して低ノイズで高効率動作が可能な擬似共振方式を採用しているため、産業機器に対するノイズの影響を最小限に抑えることが可能です。


製品ラインアップ

品番 電源電圧範囲 通常時動作電流 バースト時動作電流 最大動作周波数 FB OLP VCC OVP 動作温度範囲

BM2SCQ121T-LBZ

VCC:15.0V ~ 27.5V
DRAIN:1700V (Max.)
2000μA (Typ.) 500μA (Typ.) 120kHz (Typ.) Auto Restart Latch -40℃ ~ 105℃

BM2SCQ122T-LBZ

Latch Latch

BM2SCQ123T-LBZ

Auto Restart Auto Restart

BM2SCQ124T-LBZ

Latch Auto Restart

アプリケーション例

  • 汎用インバータ
  • ACサーボ
  • PLC(Programmable Logic Controller)
  • 製造装置
  • ロボット
  • 産業用エアコン
  • 産業用照明(街灯ほか)

交流400V仕様のあらゆる産業機器における補機電源回路に最適です。

用語説明

SiC (Silicon Carbide、シリコンカーバイド)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)
SiCは、Si(シリコン)とC(カーボン)の化合物。半導体の材料に使用した場合、Si半導体の限界を超える特性を実現できることで期待されている。MOSFETは、半導体部品の基本であるトランジスタの一種(構造)。外部から電圧を印加することでデバイスのON/OFF、または電流の流れを制御することができるスイッチングデバイスの役割を果たす。
AC/DCコンバータ
電源の一種で交流(AC)から直流(DC)へ電圧を変換する。一般的にコンセントには交流が流れており、電子機器は直流で動くため、コンセントにつなぐ電子機器には必要な部品。
補機電源
大電力の産業機器には、モーターなど(主機)の動作を実現するメイン電源回路と、制御用ICやインジケータのLED点灯など(補機)に供給するためのサブ電源回路がある。このサブ電源回路を補機電源と表現している。
パワー半導体
用途に応じた電圧や電流に変換するために用いられる半導体で、その性能がシステムや機器の電力効率に直結する。高耐圧・大電流を扱うことが求められる。