STマイクロエレクトロニクス、 モータ・ドライブの部材コストを削減する 特許取得済み機能を備えた車載用8チャネル・ゲート・ドライバを発表
2024/12/10STMicroelectronics
自動車
電動シート、サンルーフやウインドウの開閉、スライド・ドア、トランク開閉のモータをシャント抵抗なしで制御
2024年12月10日
STマイクロエレクトロニクス(NYSE STM、以下ST)は、車載モータ駆動回路を検出抵抗を使わずに構築するための8チャネル・ゲート・ドライバ「L99MH98」を発表しました。同製品は、特許取得済み機能を備えており、電力損失と部材コストの削減に貢献します。
L99MH98は、4個の外部フル・ブリッジや、8個のハーフ・ブリッジ、または1個のハイサイド / ローサイド駆動機構(座席位置調節、ウインドウやサンルーフの開閉、ポンプ、シートベルトのプリテンショナーなどのアクチュエータ)を駆動できます。ヒータなどの抵抗負荷の駆動も可能で、内部回路に搭載したチャージ・ポンプ回路の出力でバッテリ逆接続保護用のMOSFETを制御できます。
L99MH98はロジックレベルと標準レベルの両方のMOSFETを駆動でき、ゲート電流の設定を最大120mAまで増やせる機能により、複数の外付けMOSFETを駆動できます。また、3つのステップでゲート信号を駆動する3段階ゲート制御により、電磁放射を最小限に抑えます。
L99MH98は、各MOSFETのドレイン・ソース間電圧(VDS)をADコンバータ(ADC)に入力するように設計されているため、間接的に電流を測定することにより、検出抵抗が不要になります。これがSTの特許取得済み技術であり、検出される温度から予想されるオン抵抗と、測定されたVDSを組み合わせることで、各MOSFETのドレイン電流を算出します。このシステムでは、各MOSFETの抵抗-温度曲線から予想される定格オン抵抗値を定めるために製造ラインでの校正が推奨されます。
STが特許を保有するもう1つの機能が、設定可能なマルチ・フェールセーフ機能です。これは、障害が起きた時に影響のないブリッジが正常な動作を継続できるようにするため、各ブリッジをオフにし、障害から保護することによって信頼性を高めます。マルチ・フェールセーフ機能は、電源の過電圧、ハイサイド過電圧 / 過少電圧、温度異常警告、チャージ・ポンプ故障、VDSモニタリング・エラーといった障害を検知し、障害の種類に応じて、診断、ウォッチドッグ、チャージ・ポンプなどの機能を選択してオフにします。
L99MH98は、AEC Q100認定を取得済みです。また、ISO 26262規格に準拠しており、自動車安全性レベル(ASIL)Bまでの機能安全性を必要とするアプリケーションに対応します。
L99MH98は現在入手可能で、底面に露出冷却パッドを備えたVFQFN48Lウェッタブル・フランク・パッケージで提供されます。単価は、1000個購入時に約2.44ドルです。
詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
STマイクロエレクトロニクスについて
STは、50,000名以上の従業員を擁し、包括的なサプライ・チェーンと最先端の製造設備を有する世界的な総合半導体メーカーです。約20万社を超えるお客様や数千社のパートナー企業と協力しながら、お客様のビジネス創出や持続可能な社会をサポートする半導体ソリューションの開発ならびにエコシステムの構築に取り組んでいます。STのテクノロジーは、スマート・モビリティ、電力エネルギー管理の効率化、クラウド接続型自律デバイスの普及を可能にします。STは、2027年までのカーボン・ニュートラル(スコープ1、2、および3の一部)の実現を目標にしています。さらに詳しい情報はSTのウェブサイト(
http://www.st.com)をご覧ください。
企業HP:
http://www.st-japan.co.jp
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