STマイクロエレクトロニクスとDebiotech、 米国糖尿病学会にて使い捨てタイプのインシュリン・ポンプ「Jewel Pump」を発表
2010/06/25STマイクロエレクトロニクス
アナログ
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- 目立たない小型ポンプが、
患者の日常生活を制限することなく連続的なインシュリン注入を実現
Debiotech(デビオテック)とSTマイクロエレクトロニクス(NYSE:STM、以下ST)は、米国糖尿病学会の第70回科学セッション(6月25日∼29日、フロリダ州オーランド)におけるDebiotechブースに、新しいインシュリン・ポンプ「Jewel Pump」を展示することを発表しました。糖尿病治療に使用する最先端のマイクロ流体MEMS(Micro-Electro-Mechanical System)技術の代表であるこの小型装置は、皮膚に貼り付ける使い捨て型のパッチ上に実装され、連続的にインシュリンを注入できるため、治療効率と糖尿病患者の生活の質の大幅な改善を実現します。この装置は、現在FDA(米国食品医薬品局)の認可待ちです。
この使い捨てタイプの超小型インシュリン・ポンプは、Debiotechのインシュリン注入システムに関する専門技術と、シリコン・ベースのマイクロ流体デバイスの量産に関するSTの強みを組み合わせることによって実現しました。現在入手可能なインシュリン・ポンプより小型・薄型・軽量な「Jewel Pump」は、ほとんど目立たないパッチを皮膚に貼り付け、6日間の治療に適した分量(4.5ml)のインシュリン注入が可能です。マイクロ流体技術は、ポンプの故障を検知して患者に対する安全性を高める一方で、インシュリンの投薬量をより正確に管理し、膵臓からの自然分泌状態をそっくり模倣することができます。量産可能な半導体プロセス・テクノロジーを使って製造されるMEMSベースの「Jewel Pump」は、コスト面でもはるかに安価なため、患者や医療機関は現在のポンプ・ソリューションで必要とされる多額の先行投資を行う必要がなくなります。
Debiotechの社長兼CEOであるFrederic Neftel医学博士は、次の様にコメントしています。「STとの協力は、この非常に画期的な糖尿病治療向けMEMS技術の商品化に大きく貢献しました。当社は、患者に対する安全性を高めて全体的な生活の質を改善すると共に、最高レベルの信頼性と性能を兼ね備えたインシュリン投与における飛躍的な進歩を実証することができます。」
インシュリン・ポンプ治療、つまりインシュリン持続皮下注入法(CSII)は、1日に複数回行う必要があるインシュリン注射に代わる治療方法として期待が高まっています。CSIIでは、リザーバ(輸液タンク)が取り付けられたプログラム可能なポンプを患者に装着し、患者ごとに設定された特定のプログラムに従って、リザーバからインシュリンを皮下細胞に1日中必要に応じて注入します。
STのグループ・バイスプレジデント 兼 MEMS・センサ・高性能アナログ事業部ジェネラル・マネージャであるBenedetto Vignaは、次の様にコメントしています。「Debiotechと協力することで、同社の先見的なコンセプトを取り入れ、高性能かつ手頃な価格の製品の実現に成功したことは、半導体メーカーがヘルスケア・生活分野において果たせる大きな役割を証明するものです。世界をリードするMEMSの設計および製造能力を有する当社は、Debiotech等のパートナーと協力し、世界中の人々の健康と生活を改善することができます。」
Debiotechは、米国糖尿病学会の科学セッションにおいて、市販用の「Jewel Pump」のデモを行います。またSTの技術者が糖尿病治療に飛躍的な進歩をもたらしたMEMSマイクロ流体コンポーネントについて説明を行います。
Debiotechについて
Debiotechは、20年間にわたり、組込み型および外部型の薬物投与システムの分野において、重度疾病治療(糖尿病、腎不全、心臓血管疾患、癌など)のための画期的な医療装置の研究開発を専門としています。同社の製品は、マイクロメカニクス、ナノテクノロジーおよび新しい技術をベースとしています。Debiotechは医療機器および薬品分野の大手企業多数と独占的ライセンス契約を結んでおり、全世界で500件以上の特許を取得しています。
Debiotechの詳細については、
http://www.debiotech.com をご覧ください。
STマイクロエレクトロニクスについてSTマイクロエレクトロニクスは、多種多様な電子機器向けに革新的な半導体ソリューションを提供する世界的な総合半導体メーカーです。STは、高度な技術力と設計ノウハウ、そして幅広いIP(Intellectual Property)ポートフォリオ、戦略的パートナーシップ、大規模な製造力を駆使することにより、マルチメディア・コンバージェンスとパワー・アプリケーションにおいて他社の追随を許さないリーダーとなることを目指しています。2009年の売上は85.1億ドルでした。さらに詳しい情報はSTのホームページをご覧ください。
ST日本法人:
http://www.st-japan.co.jp
STグループ(英語):
http://www.st.com
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