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車載情報機器向けSoC「R-Carファミリ」から先進運転支援システム(ADAS)に向けた第一弾製品、「R-Car V2H」を発売

2014/08/28Renesas Electronics  自動車

~画期的な画像認識機能をはじめ先進運転支援システムに必要な機能を1チップに集積し、安心・安全な車社会の実現に貢献~

2014年08月28日

ルネサスの先進運転支援システム(ADAS)向けSoC「R-Car V2H」
ルネサス エレクトロニクス株式会社(代表取締役会長兼CEO:作田 久男、以下ルネサス)は、このたび、ドライバーの見落とし防止により道路やパーキングエリアにおける事故を減少させ、自動運転の実現に貢献する製品として、車の周辺環境の画像認識機能を組み込んだSoC(System on a Chip:システムLSI)を開発いたしました。新製品は、当社の車載情報機器向け SoC「R-Carファミリ」で培った技術の応用により開発されたもので、先進運転支援システム(Advanced Driver Assistance System:ADAS)に向けた第一弾製品となります。

ルネサスは「R-Car V2H」の名称で、新製品のサンプル出荷を本年9月より開始いたします。

新製品は、(1) ADASに求められる機能をワンチップに集積しながら低消費電力を実現、(2) 画像認識コア「IMP-X4」で提供される画像認識ライブラリはオープンソース(OpenCV (注))対応版も拡充しているためユーザーのソフトウェア開発効率を飛躍的に向上できる、(3) 高解像度カメラの伝送方式として期待されるEthernet AVB (Audio Video Bridging)を搭載しているため次世代車載カメラシステムの構築が可能、などの特長を有しております。

ユーザーは新製品を採用すると、カメラ各々で画像認識機能を用いた広範囲の見落とし防止を行いながら、シーンにあわせて視点を切り替えるなど、従来のサラウンドビューシステムを発展させたスマートで視認性が高く高解像度であるサラウンドビューモニタリングシステムの構築が可能になります。

新製品の量産は2016年10月から開始し、2017年10月には月50 万個を計画しています。

ADASは、車線逸脱警告、歩行者/前方車検知、ハイビームアシストなどフロントカメラを用いたシステムだけでなく、リアビュー、サラウンドビューなど、ドライバーの視認性を支援するシステムにおいても、画像認識技術による見落とし防止などの機能が融合され、車の全方位でのシステムへと広がりを見せています。

これらのシステムは画像認識対象の拡大、カメラの高画素化による処理負荷の増大などにより要求される処理性能が格段に高くなるとともに、機能安全による高い品質や性能を維持する一方、低消費電力化が求められています。また、ソフトウェアの開発においてもコストが飛躍的に増えていることから、より一層の開発効率の向上が求められています。

このような状況のもと、ルネサスは車載情報機器向けSoCであるR-Carファミリで培った技術を応用することにより、高性能な画像認識技術と低消費電力技術を搭載した新製品をこのたび開発いたしました。

新製品の特長の詳細は以下のとおりです。

(1)ADASに求められる機能をワンチップに集積しながら低消費電力を実現
新製品はADASの実現に必要な画像関連技術として、視点変換専用コア「IMR」、画像認識コアであるIMP-X4、3Dグラフィックスコアを搭載している。IMRは高解像度カメラ6チャンネルにそれぞれ独立して搭載されているため、CPUや3Dグラフィックスコアの負荷なく、高精細なサラウンドモニタリングシステムが構築可能となっている。IMP-X4はCPUと連携し画像認識を行うのに最適な構造を持つ、ルネサス独自の画像認識コアで、R-Carファミリの製品化で培ってきた技術により画像伝送の遅延なく画像認識処理を行うことができる。3Dグラフィックスコアは高度なヒューマン・マシン・インタフェース技術により、視認性高く、危険を察しやすいシステム構築が可能となる。

新製品はこれら機能をワンチップに集積しながら、性能と消費電力のバランスをとったシステム設計、搭載コアの電力遮断機能、DDR3-SDRAM電源のバックアップ機能などにより車載システムに必要な低消費電力を実現する機能を搭載している。

(2)オープンソース(OpenCV)に対応した画像認識ライブラリの拡充によりソフトウェアの開発効率を向上
搭載される画像認識コアIMP-X4は当社従来品「SH7766」比で約8倍、「R-Car H1」比で約4倍の画像認識処理性能を実現。IMP-X4は最適化された専用プロセッサと新開発のプログラマブルプロセッサ計6つを有しており、複数カメラ処理にあわせてそれらの構成を変更するなど画期的な画像認識機能を搭載している。

提供されるルネサス独自の画像認識ライブラリはオープンソース(OpenCV)の対応版も拡充しているため、ユーザーのソフトウェア開発効率を飛躍的に向上させることができる。画像認識ライブラリは、画像認識コアの性能を引き出すためのチューニングの手間なく、常に安定した性能を得られ、ソフトウェア変更時にもスムーズな対応が可能。また、ライブラリは当社従来品であるR-Car H1、SH7766に搭載のIMPシリーズと上位互換を保つため、ソフトウェア資産の流用が容易。

(3)Ethernet AVB搭載により次世代車載カメラシステムの構築が可能
Ethernet AVBは帯域保証、複数カメラの同期などの特長を有しているため、今後の車載高速ネットワークの主流になると期待されている。新製品は従来のシリアル通信によるビデオ入力だけでなく、Ethernet AVBも搭載しているため、次世代車載カメラシステムの構築が可能。

さらに新製品は、機能安全に向けた各種機能も搭載しています。メモリの一部はデータの誤りを訂正するECCを搭載しています。また、ハードウェアCRCの搭載によりデータ転送のend-to-end保護が容易になります。さらにOSでは、高い信頼性を有する米Green Hills SoftwareのリアルタイムOS「INTEGRITY®」をいち早く導入することにより、ハードウェアとソフトウェアの両面から機能安全実現にむけた取り組みを行っています。

ルネサスの執行役員常務 大村 隆司は次のように述べています。「自動車の安心安全に対してのニーズはますます高まっています。ルネサスではこれらニーズに対応するため、さまざまなお客様にご採用いただいているR-CarファミリにあらたにR-Car V2Hを追加し、次世代の車載システムの新たな価値にむけたソリューション開発に取り組んでいきます。」

また、Green Hills Softwareのadvanced products, vice-presidentであるTim Reed(ティム・リード)氏は次のように述べています。「ルネサスとの連携によって、新しい画期的なR-Car V2HによるADASのプラットフォーム向けの革新的なソリューション開発が可能になりました。様々なセキュリティおよび機能安全の認証実績を誇る、業界で最も信頼性の高いリアルタイムOSであるINTEGRITYの導入により、ルネサスは、保証されたリアルタイム・デターミニズムとセーフティを提供することで、顧客に貢献し続けてまいりました。将来、新しい自動車を購入したときに、このプラットフォームが採用されていれば、自分や他のドライバーが、安心して運転ができることになるでしょう。」

新製品の主な仕様はWEBサイトをご参照ください。
http://japan.renesas.com/press/news/

なおルネサスは、本年9月2日にザ・プリンス パークタワー東京(東京都港区)で開催するプライベート展「Renesas DevCon Japan 2014」で、新製品のデモンストレーションをご紹介する予定です。

同プライベート展は、当社が国内では初めて開催するもので、ルネサス幹部による基調講演およびルネサスの最新技術をご紹介するソリューションセミナー/ソリューション展示/ワークショップで構成されています。以下のWebページで事前登録の上、ご来場いただけます。

http://japan.renesas.com/event/devconjpn2014

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企業HP:
http://japan.renesas.com/

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